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食べるしあわせ
ととら亭のギョーザ裏話 「旅の食堂ととら亭」店主
久保えーじ
第1回 アゼルバイジャンの「ダシュバラ」 
 好評発売中の『世界まるごとギョーザの旅』。この本の中に登場する個性豊かな世界のギョーザは、すべて東京・中野区野方にある『旅の食堂ととら亭』の“旅のメニュー”として、期間限定でお客さんに提供されてきました。ととら亭のコンセプトは、「日本人の口に合うようにアレンジはせず、現地で自分たちが食べた“感動の味”を再現すること」ですが、そこには数々の苦労と工夫が……。本の中では紹介しきれなかったギョーザづくりの裏話を、著者の久保えーじさんに全6回にわたってちょっぴり披露してもらいます。第1回はアゼルバイジャンのギョーザ「ダシュバラ」です。

ととら亭のダシュバラ


ダシュバラにやや近いサイズで作るトルコのギョーザ「マントゥ」の制作風景。ダシュバラは、これよりもっと小さく作ります
 小さければ小さいほどいい、といわれるダシュバラ。確かにそのほうが食べやすいですし、スープとの絡みもいいのです。そこで、ととら亭で出す場合、シェフの智子はティースプーンに3つ乗るくらいのサイズで作っていました。しかし食べるのは一瞬でも、作るとなると、そういうわけにはいきません。生地を切って包むだけの作業でも、かなりの手間と時間がかかります。
 まずは薄力粉で作った生地を厚さ約1mmに伸ばし、それを1辺が約1.5cmの正方形にカット。次に生地をズラッと作業台に並べ、中心に小さじ3分の1ほどのラム肉を置き、ちまちま包んでいくのです。1人前が10個。1回の仕込みで30人前を作っていたので、包むダシュバラはなんと300個! 作業時間は生地を寝かせる時間を除いても、だいたい2時間弱くらいかかりました。


アゼルバイジャンで食べたダシュバラ
……ラムの挽き肉を小麦粉の皮で包み、それをあっさりとしたスープに浮かべて食べるダシュバラは、中国のワンタンと調理方法はよく似ていますが、全くの別物です。
(久保えーじ著『世界まるごとギョーザの旅』より)





※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『世界まるごとギョーザの旅』が絶賛発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。
WEB連載「世界まるごとギョーザの旅」はこちらをご覧ください。


【「旅の食堂ととら亭」のホームページアドレス】
http://www.totora.jp/
※『世界まるごとギョーザの旅』の出版を記念して、東京・中野区野方にある「旅の食堂ととら亭」で《世界のギョーザ特集》を期間限定で実施中。 2017年4月21日~6月中旬(予定)の期間中、スロバキア・韓国・アゼルバイジャンの3種類のギョーザが“旅のメニュー”として登場します。

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【くぼ・えーじ】
1963年神奈川県横浜市生まれ。ITベンチャー、商業施設の運営会社を経て独立。「旅の食堂ととら亭」代表取締まられ役兼ホール兼皿洗い。20歳のころからオートバイで国内を旅し、30歳からはバックパッカーに転身。いつかはリッチな旅がしたいと常に夢見ているが、いまだ実現していない。特技は強面の入国審査官などの制服組から笑いを取ること。妻・智子(ともこ)は1970年群馬県高崎市生まれ。食品成分分析会社、求人誌営業を経て料理業界へ転身。フランス料理、ドイツ料理のレストランで修業し、旅の料理人となる。見かけは地味だが、スリルとサスペンスに満ちたジリ貧の旅を好む。特技は世界中どこでも押し通す日本語を使った値切り。
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