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美しいくらし
「平林家」ってどんな場所? 「珈琲屋台 出茶屋」&「平林家」
鶴巻麻由子×平林秀夫
第2回 庭に屋台がやって来た
 「かもめの本棚」の新刊『今日も珈琲日和』の著者・鶴巻麻由子さんは、リヤカー屋台の小さなお店「珈琲屋台 出茶屋」を続けて11年。小金井に移り住んで屋台が生まれたこと。今日も屋台で珈琲を淹れられる幸せ……20のお話に20のすてきな絵を添えてくれたのが、出茶屋が週2回出店をしている「平林家」の主(あるじ)・平林秀夫さんです。

※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『今日も珈琲日和』を好評発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。WEB連載「今日も珈琲日和」はこちら、著者・鶴巻麻由子さんのインタビュー記事はこちらです。

――火鉢を囲んでお母さんたちがおしゃべりをしながら珈琲を飲んでいる間、家の前の路地では子どもたちがチョークを使ってお絵描きをしたり、こま回しをして遊んだり……。平林家には、大人はもちろん子どももたくさん集まります。

鶴巻 今でこそ「出茶屋」といえば子どもたちの存在は欠かせませんが、オープン当初はそれほど多くなかったんですよ。平林さんが東小金井の「オリーブ・ガーデン」さんの出店日に顔を出してくれるようになったころ、奥さんのちさとさんは仕事をしていて、平日の昼間に珈琲を飲みに来る機会はあまりありませんでした。でも出産間近になって平林さんと一緒に屋台に来るようになり、日に日に大きくなるおなかを見守っているうちに、お客さんの間にも自然と一体感が生まれてきて、赤ちゃんが生まれてくるのをみんなで楽しみにしていました。
 火鉢を囲んで珈琲を飲みながらお互いの仕事や生活のことを気兼ねなく話し合ううちに、お客さんの間に信頼の輪がじわじわと広がっていったころ、平林さん夫婦に赤ちゃんができて。それが、今の、この出茶屋と平林家のスタイルに結び付く大きなきっかけになった気がします。

――娘のつむぎちゃんが生まれた2007年、平林家は現在の家にお引っ越し。時を同じくして、それまで出茶屋を出店させてもらっていたお店が移転することになり、鶴巻さんは次に珈琲屋台が出せる場所を探していた。

平林 出店する場所を探しているというので、「それならウチでやればいいよ」と言ったんです。とはいっても、最初は庭ではなくて家の前でした。でも、家の前は小さな路地とはいえ道路だし、通行の邪魔になるからと、庭にリヤカー屋台を入れることになったのです。

――こうして平林家の庭にはリヤカー屋台が入り、火鉢やイスが並べられ、縁側と居間も出入りができる現在のスタイルが誕生した。初めてのお客さんの中には、庭の様子をのぞくだけでなかなか入って来られない人もいるけれど、いったん敷地内に入ると、いつの間にかすっとなじんでしまう。縁側を挟んで小さな庭と畳の和室がある木造平屋の一軒家。この家の昔ながらの造りが自分の中の子ども時代の記憶と重なり、居間で、縁側で、庭先で、人と話しているうちに家族のような気持ちになってくるのかもしれない。

鶴巻 ちゃぶ台や火鉢を囲んで珈琲を飲んでいると、自然と心がほどけて、ついつい時間の経つのを忘れてしまう。平林家にはそういう“場の空気”ができあがっていると思います。

――縁側に腰かけて鶴巻さんの珈琲をひとくち。口当たりやわらかな小金井の井戸水に珈琲豆の香りと甘さと苦味がすんなりと溶け込んでいる。平林さん一家がこの庭先を訪れる人々を自然に受け入れることで、さまざまな出来事が起こり、それがこの空間の魅力となっている姿と重なります。次回は平林さん一家について、詳しくお話を聞きます。

(構成:山下あつこ、撮影:街道健太)

イラスト:平林秀夫

 平林秀夫挿画展「コトバと言葉の間」を、2016年1月5日(火)~11(月・祝)に武蔵小金井の「平林家」で開催します。鶴巻麻由子さんの『今日も珈琲日和』の出版を記念した特別展です。期間中は「珈琲屋台 出茶屋」も軒先でOPEN!
【開催期間】2016.1.5(火)~1.11(月・祝)
12:00~19:00
※10日(日)は出茶屋のみ14:00~
【会場】お絵描き教室・キュクロプスケッチ(平林家)
【お問い合わせ】キュクロプスケッチメール:kyklopsketch@gmail.com
珈琲屋台 出茶屋メール:dechaya@gmail.com  電話:090-5411-5248(平林)


【「珈琲屋台 出茶屋」のホームページアドレス】
http://www.de-cha-ya.com/

【平林さんのお絵かき教室のホームページアドレス】
http://kyklopsketch.jimdo.com/
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【つるまきまゆこ×ひらばやしひでお】
【鶴巻麻由子】
1979年千葉県生まれ。2004年に東京都小金井市に移り住む。同年、小金井市商工会が主催する「こがねい夢プラン支援事業」に応募し、珈琲屋台のプランが採用される。現在は主に市内3カ所に日替わりで出店。
【平林秀夫】
1969年東京都生まれ。お絵描き教室「Kyklopsketch」主幹。イラスト制作、ワークショップの企画立案、音楽制作、料理研究など、文化系何でも屋。
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