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今回のイチオシ記事は・・・
漢方外来に行ってみた! 編集部Yの
漢方外来体験記
第3回 漢方で変わる健康観
 これまで、病気は医師に治してもらうものという思いから診察室では受け身だったY。ところが、『わが家の漢方百科』の著者・新井信教授の話を聞くうちに、漢方外来では医師に積極的に“いちばんつらい症状”を伝える努力が必要だということがわかりました。そういった診察を重ねるうちに、患者側は病気や自らの体との付き合い方が変わっていくようです。

通院期間を決めるのは…

 病気や症状によっても異なるとは思いますが、患者さんはどのくらいの頻度で漢方外来に通うのでしょうか。新井先生に聞いてみると、「初診後、2週間から1カ月以内に再診をして、経過確認を行います。状態が安定したら3カ月に1回にするなど、徐々に間隔を空けていきますね。また漢方薬の副作用をチェックするために1〜2カ月のうちに血液検査もするんですよ」。血液検査は西洋医学の領域。大学病院ならではの西洋医学と漢方の二人三脚は頼もしい限りです。

 症状が安定するまで診てもらえるのは患者にとってもうれしいこと。では、通院期間はどのくらいになるのかというと……。「それは患者さんが教えてくれるんですよ」と、新井先生は謎めいたほほえみを浮かべています。え、患者さんが!? 「漢方治療の目的は、患者さんのつらい自覚症状を取り除き、いい状態を維持すること。通院し、漢方薬を飲み続けるといい状態が保てるのであれば、そのまま続けたほうがいいでしょう。でも、元気になってくると薬を飲み忘れたりすることありませんか。それで体調が悪くならなければ、そのときが通院や薬の服用のやめ時かもしれません。一方で、やめるのが不安だからとそのまま続ける患者さんもいます」

 今まで病院にかかったら、病気に関することはすべて医師が決め、患者はそれに従うだけと思い込んでいた私。患者自身が自分の体の状態や気持ちで通院期間を決めることができるなんて、思いもしませんでした。

漢方を通じて自分の体を見つめる
 「漢方外来に通い続けると、患者さんは変わっていくんですよ」と新井先生。「症状を言葉で伝えるためには、自分の体を注意深く観察する必要があります。だから、通院するうちに体の変化にとても敏感になるんです」
 最初は診察後や漢方薬を飲んだときに起こる変化に気をつけるだけだった患者さんの多くが、何を食べると調子が悪くなるのか、体を冷やすとどうなるのかといった生活全般のことにも注意を向けるようになり、やがて体にいい環境をつくる気配りが自然に身につくというのです。


 自分の体に普段から向き合っていれば、ほんのちょっとした変化も感じ取れるようになるし、早く対処できますね。「よく早期発見が重要といいますが、漢方でも早く気づくことによってそれだけ簡単に治る確率も高まります」と新井先生は言います。
 これまで体重の増減や肌荒れの状態には一喜一憂してきたのに、体調の変化には無頓着だったことを反省しました。
 「漢方治療では、患者さんの症状だけでなく健康観まで含めて改善していくことが大切だと考えています。患者さん自身が、自分の体と向き合い生活習慣を改善していこうと思うようになれば、病気は治ったようなものです」という新井先生の力強い言葉に、私は大きくうなづきました。病気になったらつらいのは自分。だからこそ治りたい、健康になりたいといちばん真剣に思えるのも自分なんですよね。

東海大学医学部専門診療学系漢方医学のサイト
http://kampo.med.u-tokai.ac.jp/index.html

東海大学医学付属病院東洋医学科
http://www.fuzoku-hosp.tokai.ac.jp/service/toyo/

『みんなの漢方教室』
http://www.tokaiedu.co.jp/kamome/contents.php?i=295


――健康や病気に対する考え方が変わってきたY。“もっと漢方のことを知りたい!”と思いは募ります。次回はいよいよ最終回。漢方外来とともに患者のケアにあたる鍼灸外来について、『わが家の漢方百科』で“つぼ”の監修をした高士将典鍼灸師(東海大学医学部付属病院東洋医学科鍼灸外来担当)に聞きます。

※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『わが家の漢方百科』が絶賛発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。
WEB連載「みんなの漢方教室」はこちらをご覧ください。

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【編集部Y】
「かもめの本棚」編集部員。おばさん街道まっしぐらだったが、ハイヒールウォーキング、バラの香り体験を通して、美しさを追求する楽しさを知る。今回は内なる美しさの基本となる“健康”を維持するために、漢方の謎に迫る。
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