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漢方外来に行ってみた! 編集部Yの
漢方外来体験記
第2回 漢方外来の診察とは
 自覚症状があれば漢方外来を受診していいと知り、かぜん漢方の世界に興味を持った編集部Y。実際の診察はどのように進められるのでしょう? 新刊『わが家の漢方百科』の著者・新井信教授が診療する東海大学医学部付属病院東洋医学科の漢方外来を訪ね、診察について聞きました。

まずは問診票をしっかり書く

両腕の脈の状態を確認する脈診
 「どのような患者さんが診察を受けに来るのでしょうか?」と質問したところ、「当病院では、60~70%が他科または他の病院からの紹介ですね」と新井先生。紹介なしで漢方外来に行きたいと思っている患者さんでも、初診時に特定療養費(自費・税抜き5,000円)(※)を支払えば診察してもらえるそうです。
 いよいよメーンイベント。診察について教えてください! 思わず前のめりになる私に、ここでまた「その前に問診票を書いてもらいます。事前に十分な時間を取って詳しく書くことをおすすめします」というアドバイスが……。

 「問診票なら予防接種を受ける前によく書いているから慣れたもの。すぐに書けるわ」と気を取り直して、問診票を見たらびっくり! 東海大学医学部付属病院東洋医学科の問診票は、なんとA4で4枚もあるのです。「こりゃ大変だ」と思いつつ、具体的で細かい質問に答えるうちに、なんとなくつらいと思っていた症状が自分の中で少しずつ明確になっていきました。
 「特に詳しく書いてほしいのは、いちばん困っている、または最もつらい症状とその経過ですね」と新井先生。漢方では、とにかく自覚症状が大切なんですよね。
(※)2017年4月現在の金額です。

いちばん気になる症状を意識する

東海大学医学部付属病院東洋医学科の問診票。A4で4枚ある問診票にはさまざまな質問が
 問診票を持っていざ診察室へ入ると、いよいよ診察開始です。「漢方では『四診(望診・聞診・問診・切診)』と呼ばれる方法で診察します」と新井先生。望診とは患者さんの動作、顔色、皮膚や舌の色などを観察する視覚による診察のこと。聞診は声の張りや問いかけに対する応答、体臭や息の臭いを確認する聴覚と嗅覚による診察で、問診はさまざまな質問を通して病歴や自覚症状などを医師が聞き取る診察です。そして切診では、脈を取る脈診や腹部を診る腹診などを行うそうです。まさに味覚以外の五感をフル活用。「症状」だけでなく全身を診てもらえるとは心強い限りです。

 そうそう、診察時間はどのくらいでしょうか? 「当病院では、初診のときは1人に30分ぐらいの時間を取ります」。そんなに!? “3時間待って診察は3分”なんて話をよく聞きますが、じっくり向き合ってくれる漢方外来は患者さんにとってはとてもありがたい存在ですね。

 ちなみに、新井先生が最も重視しているのは、患者さんが何をいちばんつらいと感じているか、という「主訴」を確実に聞き取ること。「問診票や診察時に、症状の“幹”となる部分をしっかり伝えてください。すると医師は四診を行い、診断に必要な情報をさらに得るための質問をします。一見症状とは関係ないようなことを聞くこともありますが、ちゃんと根拠はあるんですよ。枝葉の部分を解明してから、正しい処方を導き出すのです」。
 患者としては、せっかく先生に診てもらえるのだから具合が悪いところを全部治してほしいと思うものですが、ここはガマンガマン。限られた時間で最高の処方を得るには、まずはつらい症状のワーストワンを先生に伝えることが重要なんですね。

 診察後は、症状に合った漢方薬を処方したり、必要に応じて鍼灸外来(※)を紹介してくれることも。「鍼灸は、漢方薬だけでは治らないときや疼痛疾患、成人疾患、精神疾患など幅広い分野に適用できる治療です」
 漢方だけでなく鍼灸も受けたら、どんないいことがあるかしら――。すっかり漢方のとりこになったYの期待は広がる一方です。
※鍼灸外来の詳細は最終回(第4回)で紹介します。

東海大学医学部専門診療学系漢方医学のサイト
http://kampo.med.u-tokai.ac.jp/index.html

東海大学医学付属病院東洋医学科
http://www.fuzoku-hosp.tokai.ac.jp/service/toyo/

『みんなの漢方教室』
http://www.tokaiedu.co.jp/kamome/contents.php?i=295

――今まで病院で受けた“診察”のイメージと全く異なる漢方外来に驚くY。次回は、新井教授から漢方を受診することで生まれる患者側の変化について聞きます。

※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『わが家の漢方百科』が絶賛発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。
WEB連載「みんなの漢方教室」はこちらをご覧ください。

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【編集部Y】
「かもめの本棚」編集部員。おばさん街道まっしぐらだったが、ハイヒールウォーキング、バラの香り体験を通して、美しさを追求する楽しさを知る。今回は内なる美しさの基本となる“健康”を維持するために、漢方の謎に迫る。
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