× close

お問い合せ

かもめの本棚に関するお問い合せは、下記メールアドレスで受けつけております。
kamome@tokaiedu.co.jp

かもめの本棚 online
トップページ かもめの本棚とは コンテンツ一覧 イベント・キャンペーン 新刊・既刊案内 お問い合せ
美しいくらし
寺田直子の旅道具 トラベル・ジャーナリスト
寺田直子
第4回 “レディーのたしなみ”は収納に宿る
 楽しい旅を目前にちょっと憂鬱なのが荷物のパッキング。そこで、『フランスの美しい村を歩く』の著者、寺田直子さんに「旅の七つ道具」を教えてもらう連載第4弾では、“旅のプロ”ならではのアイデアあふれる収納術をご紹介します。思い出とともに増えてしまうお土産を持ち帰るときにも役立ちますよ!


 旅の持ち物を身軽にするコツはなんといってもパッキング。私は基本として、Tシャツやスカート、ニットなどなんでもクルクル巻いてしまいます。ポイントは丸めたものをデコボコがなくフラットになるように入れていくこと。そうして最後、上面にジャケットやブラウスなどシワにしたくない大物をふわりと配置。これでキレイに重ねることができます。
 持っていく洋服はすでに紹介したようにシワになりにくいタイプのものを選びますが、どうしてもスーツケースに入れて移動する間にたたみジワなど出てくるのは必然。ですから、スーツケースのパッキングはシワ予防よりもコンパクトな収納のほうに重きを置いています。クルクル巻きはそのひとつ。ギュッと巻いていくと意外なほどコンパクトになり、小さ目のスーツケースに収めることができます。

 収納に加えて、見た目をきれいにするのに役立つのが収納ケースやバッグ。私が長年愛用しているのは黒のキルティングのタイプです。シルクのブラウス、シャツなど透け感のある洋服、小物などを入れておきます。もうひとつは、Bon Voyage(フランス語で「よいご旅行を」の意味)と刺繍が施された下着専用の布製のポーチ。シンガポールの名門ホテル、ラッフルズのギフトショップで購入したものです。常にこの2つを持参し、ひとつは洗濯された下着用で、もうひとつは使用したもの用と分けて使っています。布製なので汚れたら簡単に洗えるのもポイントが高いです。
 ちなみにポーチに刺繍されているのは、トラベラーズツリーと呼ばれる熱帯の植物。常に葉が広がる方向が決まっているため、旅人に方角を教えてくれることからこう呼ばれています。そして、これはラッフルズのシンボルでもあります。

 さらに役立つのがエコバッグです。布製の薄いタイプがベスト。これを収納ポーチ代わりに使うのもお薦めです。ヨーロッパをはじめ海外のスーパーに行くと1、2ユーロほどでオリジナルのエコバッグを並べているので現地で手に入れるのもいいでしょう。お土産代わりにもなります。
 また、布製ではないですがフランスのスーパー「モノプリMonoprix」のエコバッグは、カラフルでバリエーション豊富で日本人観光客に大人気。これに下着類やクツなどを入れてスーツケースに収納するのも見た目スッキリでさらにオリジナリティがありおすすめです。

 同じような発想で、私は以前、風呂敷を使っていたこともありました。でも、結ぶ手間などがあり、あまり長く続きませんでした。見た目にこだわらなければコンビニのレジ袋だって活用度大。自分の旅スタイルを考えながら選んでみてください。ただし、高級ホテルやクルーズ旅行の際はキレイめの収納ポーチやケース持参が望ましいです。そのままクローゼットに移動させても見苦しくないですし、特に上質なクルーズにはバトラーサービスがあり、乗船ゲストの荷物のパッキング&アンパッキングをしてくれます。下着類など他人に見られたくないアイテムはかわいらしいポーチの中にひそやかに隠してしまうのがレディーのたしなみです。

 帰国時、増えた資料やお土産で荷物があふれてきた! そんなことを想定して私が持っていくのがTUMIのJust In Case Travelトートです。Just In Case(万が一の場合)の名前のとおり、まさにお助け役的な存在のトートバッグ。
B5サイズ程度にコンパクトに折りたためられるのでスーツケースの中でもほとんどスペースをとりませんが、広げるとたっぷり容量。丈夫なナイロン製なので、そこそこ重いものでも問題ありません。お土産やジャケット類など大物をこちらに入れて、あふれたものの収納はこれで解決。帰国時の荷物を想定して持参する収納アイテムを考える。これも旅のポイントです。

【写真提供:寺田直子】 

【寺田直子のハッピー・トラベルデイズ】
http://naoterada.exblog.jp/

※WEB連載原稿に加筆してまとめた寺田直子さんの旅行エッセイ(『フランスの美しい村を歩く』を好評発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。WEB連載「いつか訪ねたい世界の美しい村」はこちらをご覧ください。
ページの先頭へもどる
【てらだ・なおこ】
トラベルジャーナリスト。東京生まれ。日本及びシドニーでの旅行会社勤務を経て、フリーランスライターとして独立。旅歴約40年。訪れた国は約100カ国。ホスピタリティビジネス、世界の極上ホテル&リゾートに精通。雑誌、週刊誌、ウェブ、新聞などに寄稿するほか、ラジオ出演や講演など多数。豊富な取材経験を活かし、インバウンドを含め日本の地方の活性化、観光立国化に尽力、関連セミナー、ワークショップ、講演などに登壇するほか、山口県観光審議委員(~2017)、青森県の観光アドバイザーを務める。2013年、第13回フランス・ルポルタージュ大賞インターネット部門受賞。JATA ツアーグランプリ審査員(~2018)。Yahoo!Japan ニュース・エキスパートとして「サスティナブル」「レスポンシブル・ツーリズム」を軸に最新の旅トレンドを発信中。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)、「ロンドン美食ガイド」(日経 BP 社 共著)、「イギリス庭園紀行」(日経 BP 企画社、共著)、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。「ホテルブランド物語」は韓国で翻訳出版され、ホテリエたちの教本的存在になる。現在、東京都・伊豆大島を拠点に執筆のかたわら古民家カフェ Hav Cafe を運営。
新刊案内