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美しいくらし
寺田直子の旅道具 トラベル・ジャーナリスト
寺田直子
第1回 「大は小を兼ねない」のがスーツケース
 夏休みを目前にして、「旅のプランを立てるのはとても楽しいけれど、あれこれと持ち物の準備を考えるとちょっと気が重い」なんていう人もいるのでは? でも、これを読めばもう大丈夫。年間150日は国内外のホテルに宿泊しているトラベル・ジャーナリストで、『フランスの美しい村を歩く』の著者、寺田直子さんからご愛用の「旅の七つ道具」を聞き出す新連載です。七つ道具とは、「一組にして携える種種の小道具」のこと(『広辞苑』)。まずはこれぞ必需品の代表格、トランクから始めましょう。


 仕事道具であるスーツケース。現在、手元にはサイズの異なる6つのスーツケースがあります。ハードケースからソフトタイプのものまで。それぞれ大きさだけでなく素材、存在感も違います。統一したほうがオシャレに思われるかもしれません。でも、詰めるものの量だけではなく旅の用途にあわせるためにあえて変えています。なぜならば、スーツケースは見られているからです。

 外見でその人の趣向、好みがわかるのと同じ。スーツケースは旅人のスタイルを反映します。だからラグジュアリーなホテルに滞在するときは「マダム」として一目置かれるような高級感ある老舗ブランドのスーツケースを持参。逆に手頃な宿に泊まるのであれば、盗難リスクを減らす目的も兼ねてかなり年季の入った廉価なものを選びます。

 マイスーツケースを手にいれようと思っているのならばまず何度かレンタルをして試してみるといいでしょう。最近は高級ブランドもレンタルができますから便利です。
 一般的な海外旅行であれば国際線の機内持ち込みサイズをまずはひとつ。それで事足りるような荷物選び、パッキングを学習してください。女性のひとり旅であればトイレの個室に持ち込めるサイズを基準に。スーツケースに関しては「大は小を兼ねる」と思っていません。無用に大きなスーツケースをヨーロッパの石畳の街で引きずる苦労は思っている以上に大変ですから。

 逆に一度、部屋に運んでしまえば降りるまで移動させることのない客船クルーズでは一番大きなスーツケースにお気に入りのドレスやパンプスをたくさん詰め込み大人の船旅を満喫します。あるいは冬のヨーロッパも厚手のコートや帽子、ブーツなど荷物が増えるので必然的に大き目のスーツケースが必要。そういうときは割り切ってタクシーを使い、ホテルのポーターたちにチップをはずんで荷物を持ってもらいましょう。
 そんなメリハリを楽しむことが大人の旅の極意です。

【写真提供:寺田直子】 

【寺田直子のハッピー・トラベルデイズ】
http://naoterada.exblog.jp/

※WEB連載原稿に加筆してまとめた寺田直子さんの旅行エッセイ(『フランスの美しい村を歩く』を好評発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。WEB連載「いつか訪ねたい世界の美しい村」はこちらをご覧ください。
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【てらだ・なおこ】
トラベルジャーナリスト。東京生まれ。日本及びシドニーでの旅行会社勤務を経て、フリーランスライターとして独立。旅歴約40年。訪れた国は約100カ国。ホスピタリティビジネス、世界の極上ホテル&リゾートに精通。雑誌、週刊誌、ウェブ、新聞などに寄稿するほか、ラジオ出演や講演など多数。豊富な取材経験を活かし、インバウンドを含め日本の地方の活性化、観光立国化に尽力、関連セミナー、ワークショップ、講演などに登壇するほか、山口県観光審議委員(~2017)、青森県の観光アドバイザーを務める。2013年、第13回フランス・ルポルタージュ大賞インターネット部門受賞。JATA ツアーグランプリ審査員(~2018)。Yahoo!Japan ニュース・エキスパートとして「サスティナブル」「レスポンシブル・ツーリズム」を軸に最新の旅トレンドを発信中。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)、「ロンドン美食ガイド」(日経 BP 社 共著)、「イギリス庭園紀行」(日経 BP 企画社、共著)、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。「ホテルブランド物語」は韓国で翻訳出版され、ホテリエたちの教本的存在になる。現在、東京都・伊豆大島を拠点に執筆のかたわら古民家カフェ Hav Cafe を運営。
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