× close

お問い合せ

かもめの本棚に関するお問い合せは、下記メールアドレスで受けつけております。
kamome@tokaiedu.co.jp

かもめの本棚 online
トップページ かもめの本棚とは コンテンツ一覧 新刊・既刊案内 お問い合せ
にっぽん醤油蔵めぐり
「職人醤油」代表
高橋万太郎
第12回 京都の味を支える「花咲か爺さん」(澤井醤油本店・京都府) 

京都御所の近くにある澤井醤油本店

 京都の中心部にある澤井醤油本店。京都御所にほど近く、新町通りと中長者町通りの角にある店は、間口が狭く奥に細長い京町家造りになっています。入り口には、「マルサワ もろみ」と書かれた人の背丈くらいある大きな木製の吊り看板。店内はきれいに石畳が敷き詰められ、その横に木桶が並んでいます。

 出迎えてくれた5代目の澤井久晃専務に案内され、店舗から奥に進むと雰囲気ががらりと変わります。

5代目の澤井久晃さん

 まずは、和釜が設置されている仕込み場。大豆を蒸したり醤油に火入れをする空間です。さらに奥に進むと、右手に発動機、左手に階段があり、そのまま2階に上がると麹室。京町家の限られたスペースを生かした珍しい構造です。1階の発動機にはたくさんのベルトがつながれていて、各所に動力を伝えています。炒られた小麦はその力で2階に運ばれますが、煮た大豆は人力で持って上がるそうです。

 実はこの澤井さん、日仏合作ドキュメンタリー映画『千年の一滴 だし しょうゆ』に出演しています。「枯れ木に花を咲かせましょう~」と口ずさみながら、種麹を混ぜた小麦をまくスローモーションのシーンを覚えている方も多いのではないでしょうか。

店頭にも木桶が並ぶ

 蔵にすみついている麹菌を大事に守り、国産の原料で昔ながらの道具を使い、頑固に守り続ける味。その手法などはすべて口伝で受け継がれるそうです。このように書くと「格式が高くて訪ねにくい蔵」と思われるかもしれませんが、澤井さんは、ひたすらお客さんに満足してもらえる醤油を造る「花咲か爺さん」のような人。柔和な笑顔が似合う職人さんです。

☆この1本でこの料理☆

澤井醤油本店(京都府)



都淡口

価格:524円+税

「サトイモ団子のお吸い物」


 京都の老舗料亭も愛用する「都淡口」は、料理に使うとより味わいが際立つ。本領を発揮するのが、だしの風味と具材料の彩りを大切にしたいお吸い物。

①サトイモ(400グラム)は皮をむいてゆで、つぶす。片栗粉(大さじ4)、卵白(大さじ2)、塩(小さじ1/2)、「都淡口」(小さじ1)を加えて混ぜ合わせる
②だし汁(800ミリリットル)に都淡口(大さじ2)、塩少々を加えて煮立て、①を丸めて3分ほどゆでる。器に盛りミツバを添える


【職人醤油―こだわる人の醤油専門サイト】
http://www.s-shoyu.com/

『にっぽん醤油蔵めぐり』
本体1,400円+税

☆蔵めぐりの連載が本になります☆



※2016年11月から2017年11月まで連載された「職人醤油のつくり方」と、2018年8月から続いた本連載をまとめた書籍『にっぽん醤油蔵めぐり』コチラからどうぞ。
ページの先頭へもどる
【たかはし・まんたろう】
1980年群馬県生まれ。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し2006年退職。(株)伝統デザイン工房を設立し、これまでとは180度転換した伝統産業や地域産業に身を投じる。現在は、一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100mlの小瓶で販売する「職人醤油」を運営。これまでに全国の400以上の醤油蔵を訪問した。
新刊案内