「テストなし、落ちこぼれなし、格差なし」――フィンランドの教育改革は、ないないづくしで世界一の学力を実現した。日本の学力観との決定的な違いとは何か? フィンランド教育研究の第一人者が、日本の教育改革のビジョンを描く。 
                                         ●取り残される日本 
                    ECD事務総長のメッセージ/学力は変化するもの/なぜOECDなのか
  
                    ●PISAショック 
                    幕末に匹敵する岐路に立つ日本の教育/揺れ動いた日本の教育/新自由主義と教育/市場原理に放り込まれた教育/低学力批判は古い学力観を強化するだけ/ヨーロッパの学力観/PISAショック/旧来の学力観のルーツ/スプートニク・ショック/際限ない序列づけの果てに/テスト競争ではできる子も伸びなくなる
  
                    ●フィンランドを「世界一」にした教育 
                    基幹産業の転換に成功/徹底した癒着の根絶/密接に結びつく国づくりと教育/テストもないのに自ら学ぶ/底上げすると、上も制限なく伸びる/子どもを支援する教育の現場/ 
                    高度な知識満載の教科書/自分で答えを見つけられる教育/フィンランドの教師の一日
  
                    ●競争を強いる教育が生んだもの 
                    「旭川学力テスト裁判」判決文/テストと入試のためにだけする勉強/時代とともに知識も変化する/「思考力・知識の構成力重視」へとシフトすべき/「学ぶ筋道」を用意する/競争を強いる教育がうんだもの
  
                    ●日本の教育改革のため(政治家・行政・教師・保護者はどうあるべきか) 
                    政治家による素人管理の弊害/行政は条件整備のプロであるべき/教育を情報でリードする組織を/教師は本来の力を取り戻せ/いい授業をするための時間を要求すべき/テストの点数では成長は見えない/二艦隊の黒船を前に、第三の道があるか 
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