目次
- まえがき
- 第一章 東京・銀座の昭和っ子
- お母ちゃん死んじゃった/爺ちゃん婆ちゃん江戸時代/お医者様は人力車で来た/佃の渡しの大冒険/貧しさの中の洒落/紙芝居屋さん大繁盛/賑やかな下町育ち/初めての「支那そば」/ラッパのラジオ育ち/羽田にできた飛行場
- 第二章 軟弱少年の軍国時代
- 軍神の紙芝居を作れ!/戦時中にテレビがあった!/僕も女湯に入った/下町の防空演習/幇間も徴兵されて/陸軍特別幹部候補生/父・姉・兄との面会/空しく敗戦
- 第三章 戦後が育んだ夢
- 進駐軍がきた/僕は画家になる!/占領軍総司令部へ行く/アメリカへ行きたい/学友は映画美術へ/進路は迷路/画壇カンケイない/教壇で震える/ファッション・デザイナー/占領軍関係者専用の場で
- 第四章 先駆けの世界無銭旅行
- 日本脱出/アメリカだ!/昼寝のメキシコ/パナマ運河を行く/無一文で下船/下宿を追い出される/売り絵の旅に出る/ひとり旅のブラジル/日本人の墓/野武士と出会う/イタリアの移民船で/パリの屋根の下/甲板下の船室/地球一周の残高一ドル/ほか
- 第五章 花咲く新文化とともに
- ゼロからの再出発/小説家と出会う/古武道家の娘/噺家夫婦と銭湯へ/イラスト事始め/四人で勝手な連作/著書を出そう/禅とは何ですか?/五十人の財界人と/一匹狼だからいい/銃を買う/挿絵画家は大繁盛/流行作家ブーム/飛んできた大家の絵筆/ほか
- 第六章 ソンブレロは風まかせ
- 安定の中の不安/旅行記はボツ!/ソンブレロは風まかせ/夜の文壇銀座/大晦日の編集者/お寺の玄関/陸軍中野学校/経済戦で大勝利/自由に生きる農場/黄金の街へ/アメリカは疲れている/画廊は消えた/もうお仕舞いだなぁ!/巴里の和食・老舗/ほか
- 第七章 昨日の昭和
- SF小説の流行/日本人ゾロゾロ/取材先いろいろ/昨日の昭和/文が先か絵が先か/命を版画に遺す/定着は終着/野武士の死/俳句・事始め/画家の目は命/夫婦で初船旅/踊るクルーズ/船の生涯
- 第八章 諦観のなか絵筆は止まず……
- ひとり歩きの俳句イラスト/賢いシャムネコ/ウチの招きネコ/複合感覚の雑談/巨大な画材/よるのひるね/ブッディストです/老子を描く/……勝手居士/お寺の襖絵を描く/挫折より左折か右折/東歩西歩の散歩道/サボテン爺さん
- 対話のあとがき もっと「老働力」を!
●長尾みのる(ながお・みのる)…1929年、東京生まれ。早稲田大学[旧]工芸美術研究所卒業。服飾学校講師などをしながら舞台美術家への修行を続けたが、1953年、一文無しで日本を脱出した旅が、敗戦後初の世界一周無銭旅行となり、注目された。57年、完成したての国産カラー印画紙で日本初の「カラーフォト・デザイン展」を開き、初のアートディレクターに。また、ほぼ同時期に放送作家・永六輔とのコンビで開始した『アサヒグラフ』連載の作品が、新語の「イラスト」を流行させ、初のイラストレーターとなった。1976年、講談社出版文化賞を受賞。ベストセラー紀行文『ソンブレロは風まかせ』など著書多数。
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