目次
関野吉晴 プロローグ
人類を破滅へと追いやる現代文明の「病」。快復への手立てはあるのか?
山折哲雄(宗教学者) それぞれの風土が育ててきた基層の文化に立ち返れ!
足元の文化を失い、崩壊へと進むアフリカ。いま日本の未来にとって必要な「思想」とは
池内 了 (宇宙物理学者)よりよい未来にじっくりじっくり近づいていこう
人類の生き残りのため、科学はどう使われるべきなのか。軌道修正はできるのか?
船戸与一(作 家) 「闇なき世界」に未来などあるのか
夜の闇と物語が失われていく時代に生きている現代人。人間の「生存力」は大丈夫か?
藤原新也(写真家) 世の「毒」を食らった若者にこそ可能性はある
自然から離れ、ITまみれで五感を錆びつかせた若者たち。そんな彼らの可能性とは
池澤夏樹(作 家) 草食男子の静かな暮らしが「人類生き残り」の戦略となる?
これからがホモサピエンスの真価が問われる時代だ。未来を拓くヒントをどこに探るか
山極寿一(霊長類学者) ゴリラ社会の“負けない論理”に学ぼう
国際競争に勝つ必要などない。「負けない」という思想と知恵で歩んでいこう
井田 茂 (惑星科学者) 宇宙を見て地球を知れば、未来への新しい発想も
この宇宙には人間が統御できるものとできないものがある。科学と技術は、そして原発は?
島田雅彦(作 家) 人も社会も「成熟」したら、創造的な「没落」をめざそう
文明にはもともと「滅亡」がプログラム化されている。そのなかでどう生きるのか
服部文祥(サバイバル登山家)地球の自然を食い荒らす有害獣は駆除しなくていいのか?
個人として「人間」を生きる。それが困難な時代にあって、どんな風穴が開ければよいか
関野吉晴 エピローグ
人類の、そして個人の「未来への物語」を紡ぐために
●せきの・よしはる 探検家・医師・武蔵野美術大学教授(文化人類学)一九四九年東京都生まれ。一橋大学法学部、横浜市立大学医学部卒業。一橋大在学中に探検部を創設し、アマゾン全流を下ったのを皮切りに、約二十年間南米各地に遺跡や先住民を尋ねる旅を続ける。その間に医師となり病院勤務も続けるが、一九九三年からは、人類がアフリカから南米大陸にまで広がった道のりを逆ルートでたどる「グレートジャーニー」をスタートさせ、二〇〇二年にタンザニアのラエトリにゴールした。二〇〇四年から「新グレートジャーニー 日本列島にやってきた人々」を始め、二〇一一年六月に「海のグレートジャーニー」を終えて日本に到達した。一九九九年、植村直己冒険賞受賞。著書に『我々は何処から来たのか|グレートジャーニー全記録』などがある。 |