お笑い芸人ばかりを集め、
スタジオ撮りの安直安価な番組ばかり
たれ流している最近のテレビ。
メディアの使命から見て、もはや末期症状と
思えるようなその惨状に、私たちは
そろそろ引導を渡すべきではないのか。
三行半(みくだりはん)を片手に、テレビの本来の姿への
期待を語り、再生を考えてみたい。



特集インタビュー
感情を支配する“異常な世界”の不快
中島義道
テレビには怖い“仕掛け”がある言葉の規制と感情の誘導だ。
しかもそれは目に見えるかたちでは存在せず、暗黙の了解事項として機能し、
個人の考えや多様性を殺している。
中島義道さんがテレビを語る。


時間も労力も費やしたくない
「生涯テレビなし」という生き方
池内 紀
事故も事件も災害もない一日があったとしよう。
その日はまちがいなくテレビにとって、最も不幸な一日となるはずだ。
映像化されたニュースだって、しょせん「劇的」を強調した作品。
そんなヘンテコなメカニズムに背を向けた“正しい選択”。

「私」が消え、熱も失ってしまった
このままではテレビは死んでしまう
吉岡 忍
話題のネタはテレビ、殺人事件で怪しい人物を教えるのもテレビ……。
テレビなど空虚な世界だと、突き放して見ていたのは昔の話で、テレビはいまや、
私たちにとって、唯一の社会との接点ともいえるほどの力を持つ。
そこに潜む私たちの感受性とテレビ側の姿勢を吉岡さんが語る。

権力と対峙できないテレビなんて……
「失われたジャーナリズム」はどこへ行く
野中章弘
巨大なメディアであるテレビが、権力と対峙しないとしたら--。
残念ながら、その事態はすでに進行し、しかも報道のプロもいなくなりつつある。
真実を追求する姿勢を失ったテレビと、私たちはどう向き合うべきか。
国際報道でテレビ局との関係も深い野中章弘さんに聞いた 。

イイ男No.1キムタクに見る「現代若者ことば」
テレビ世代が?“ことばの品格”を壊した?
小林千草
「ことばが乱暴」「話題が下品」と、何かと評判が悪いのが
毎日のようにテレビに登場するタレントやお笑い芸人たちのことばづかいだ。
彼らテレビ世代が、ことばの品格を壊した張本人なのか?
キムタクをはじめとする“イケメン”たちの発言を基に考察する。
シリーズ・「教育」を語ろう
「ゆとり教育」で学力は目覚める
荒瀬克己
ジャーナル
シリーズ「いいかげんな生き方」のすすめ
仕事も遊びもゴッタ煮で!
名本光男
〈短期連載ルポ〉魯迅が愛した「抒情画家」
大正ロマンの旗手・蕗谷虹児の生涯
鈴木義昭
連載
ぼくは都会のロビンソン
久島 弘
人が“資源”と呼ばれる時代に
吉田敏浩
もうひとつの日本への旅
川田順造

あの日・あの味「クスクス」 四方田犬彦
心の健康相談室「空の巣症候群」 山崎晃資
健康Q&A 「爪白癬」 松山 孝