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子どものこれから
個性をぶつけて本音を探りたい ミュージシャン×版画家
石川浩司×蟹江 杏
第1回 「美女と野獣」の出会い
 版画家の蟹江杏さんが、子どもたちとのおしゃべりを通して思い浮かんだイメージを一枚の版画に仕立てる連載「あんずとないしょ話」。5月26日からは、杏さんと旧知の仲というミュージシャンの石川浩司さんをパートナーに迎えて、これまで以上にパワーアップ! 「ママとパパには内緒だよ」と題して新たなスタートを切ることとなりました。そこで今回から3回にわたって二人にインタビュー。出会いのきっかけや新連載にかける思いなどを聞きました。


――キラキラした目が印象的な杏さんと、大きな体で低音ボイスを響かせる石川さんは、まるで「美女と野獣」のような組み合わせ(石川さん、すみません!)。17歳も年齢差がありながら、それを感じさせないほどお互いを理解し合っているような雰囲気が伝わってきます。そもそも二人はどこで出会ったのですか?


 今から16年前、とある舞台演出家さんの紹介で初めてお会いしました。そのころ、私は留学していたロンドンから帰国したばかり。その舞台演出家さんの舞台美術と衣装を担当させてもらったのが、アーティストとしての初仕事でした。その方と石川さんはミュージシャン仲間。そんなご縁で、もう長いお付き合いですね(笑)。

――石川さんは1990年にメジャーデビュー作である「さよなら人類」が大ヒット、当時知らない人はいないほど一世を風靡したロックバンド「たま」のメンバー。トレードマークのランニングシャツ姿で、パーカッションを叩きながら歌う様子が頭に浮かんでくる人も多いのでは? 「中学生のときに『たま』のファンだったお母さんにアルバムをプレゼントしたことがある」という杏さん。もちろん、出会う前から石川さんのことは知っていた。

 舞台演出家さんから、石川さんがプロデュースしている西荻窪のアートギャラリー&雑貨店「ニヒル牛」のことも聞いていました。アーティストとして駆け出しの私を紹介したいとも言ってくださっていたので、ご本人に会える機会を楽しみにしていたんですよ。人種や時代をこえた、どこか浮世離れした「たま」時代のイメージがあったので、お会いして石川さんと一緒に仕事をするようになって、失礼ながら初めて「意外とちゃんとしている人なんだな」って思いましたね(笑)。今振り返ると、完全に作り上げたイメージどおりの印象を私たちに与えていたというのは、アーティストとしてすごい才能だと思います。

―― 一方、石川さんの受けた杏さんの第一印象は?

石川 僕はミュージシャンだけでなく舞台俳優もしているので、たくさんの若い女優さんと接する機会があり、いろんな方を見てきました。でも杏さんはどんな女優さんよりもオーラがあったんだよね。舞台美術さんだから表舞台には出ない人のはずなのに、舞台に出る人よりもハッとさせられるような雰囲気を持っていた。もちろん版画も素晴らしいし、人間的にも独特の魅力を持っていて、「この子は一体どんな子なんだろう!?」と思ったのをよく覚えています。

――ミュージシャン、俳優、エッセイストだけに留まらず、今年4月には50代にしてアイドルデビュー(!!)と多方面で活躍する石川さんは、杏さんにとっては“表現者”の大先輩として憧れの存在。そして石川さんは、杏さんの内部に充満する隠しきれないパワーを出会った瞬間に感じ取っていた。互いの持つ才能を認め合う気持ちが、二人の間には優しく通っているように感じられる。次回はそんな二人のアーティスト活動に関するお話です。

杏さんが手にしているのが、石川さんのアイドルデビュー作となった3人組ユニット「えんがわ」の1stシングル「おばんざいTOKYO/オー・シャンゼリゼ」
(構成:山下あつこ、撮影:街道健太)



【石川浩司のひとりでアッハッハー】
http://ukyup.sr44.info/
【蟹江杏さんのホームページアドレス】
http://atelieranz.jp/



※ミュージシャンの石川浩司さんと版画家の蟹江杏さんが、子どもたちにインタビュー。パパやママには言えない話をこっそり聞き出して、その思いをエッセイと版画に仕立てる連載「ママとパパには内緒だよ」。前編は石川さんの軽妙なエッセイ、そして後編では杏さんが版画に込めた思いを語る2部構成で展開していきます。対談記事と併せてぜひご覧ください。

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【いしかわこうじ×かにえあんず】
◆石川浩司◆1961年東京都にて逆子生まれ。神奈川県・群馬県育ち。バンド「たま」にてランニング姿でパーカッション、ボーカル担当。90年に「さよなら人類」でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞などを受賞。2003年に解散後はソロで「出前ライブ」などの弾き語りおよびバンド「ホルモン鉄道」「パスカルズ」などで活動中。旅行記やエッセイなどの著作も多数ある。また今年4月には、10代女子2人とのユニット「えんがわ」としてアイドルデビューも飾った。

◆蟹江 杏◆東京都生まれ。ロンドンにて版画を学ぶ。NPO法人3.11こども文庫理事長。全国の百貨店や画廊で展覧会を行うかたわら、新宿区クリエーターズフェスタなどの都市型アートイベントにおいて子どもアートプログラムのプロデュースなどを手がける。東日本大震災の被災地の子どもたちに絵本や画材を届ける活動や、文部科学省復興教育支援事業としての講師やコーディネーターも務めている。
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