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今回のイチオシ記事は・・・
個性をぶつけて本音を探りたい ミュージシャン×版画家
石川浩司×蟹江 杏
最終回 子どもたちの心の中は?
 物語のワンシーンのようなストーリー性のある作品を制作する版画家・蟹江杏さんと、1990年にロックバンド「たま」の一員として人気を博したミュージシャンの石川浩司さん。年代も性別も異なる二人ですが、意外な共通点がありそうです。



――自身の体験談を交えた軽妙なトークで、場を和やかにしてくれるエンターテナーの石川さん。しかし、幼少期は全く正反対の性格だったそう。

石川 小学校時代は大勢の前や先生と話すときに緊張してしまって、うまく話せないシャイなタイプでした。手先が不器用でいじめられたりしたので、余計に内気になってしまっていたのかな。それが中学生になったときにひっくり返った。不器用な様子って、人にとっては笑いの種。だからこそ逆に笑顔を作ることができる、ということにハッと気がついたんですよ。だったら不器用を隠すんじゃなくて、前面に出してやれ! と弾けるようになって一躍、人気者になりました。

 実は私、小学校と中学校にはいい思い出がありません。表面的には楽しそうにしている優等生タイプだったんですが、こんな毎日が続くなんてたまらない! と心の底ではいつも思っていました。早く大人になりたくてしようがなかった。

石川 僕もそういうところがあったな。当時は土曜も学校があって、週に6日も人に決められたスケジュールで過ごさなくてはいけないのか、とも思っていた。でも、今考えるとそういうふうに制約があったことが、どうすれば楽しくなるかを考えるきっけかになったのかも。もしもその縛りがなかったら、自分が本当は何をやりたいかを突き詰めることはしなかったかもしれませんね。

――「無邪気」「純真」などという言葉でくくられがちな年ごろに、表面には見えないところで冷静に物事を捉えて秘かに思い悩んでいる……それが自分たちの子ども時代だったし、きっとどんな子どもにもそういった部分があると言う二人。

石川 とはいえ、大人になった今は自分の子ども時代のことなんてほとんど忘れている。だから今回の連載で子どもたちと会話をすることで、自分の子どものときの気持ちを思い出せればいいな。それはきっと、一般的に大人が思い描いているような子ども像ではないはずです。

 すでに話を聞いた女の子は小学一年生だけど、自分の周りの人を冷静に見ていて大人よりドライな性格。そういう子どもたちの話を聞いていると、「そうか、意外と自分みたいにいろんなことを考えている子どもっているんだな」と思いました。子どものときはその思いをほかの子と共有できなくて孤独感があったけれど、今になってあのときの自分は大丈夫だったんだと思えてきた。当時の不安が解消されたような思いです。

――身近だからこそ、親には話せない複雑な気持ち。でも、知らない大人には意外と本音で話せるのかも。石川さんと杏さんの感性によって導き出される、子どもたちの本当の気持ちから生まれる新たな発見の世界。新連載「ママとパパには内緒だよ」は明日5月26日(木)からスタートです。お楽しみに。

(構成:山下あつこ、撮影:街道健太)



【石川浩司のひとりでアッハッハー】
http://ukyup.sr44.info/
【蟹江杏さんのホームページアドレス】
http://atelieranz.jp/


※ミュージシャンの石川浩司さんと版画家の蟹江杏さんが、子どもたちにインタビュー。パパやママには言えない話をこっそり聞き出して、その思いをエッセイと版画に仕立てる連載「ママとパパには内緒だよ」。前編は石川さんの軽妙なエッセイ、そして後編では杏さんが版画に込めた思いを語る2部構成で展開していきます。対談記事と併せてぜひご覧ください。


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【いしかわこうじ×かにえあんず】
◆石川浩司◆1961年東京都にて逆子生まれ。神奈川県・群馬県育ち。バンド「たま」にてランニング姿でパーカッション、ボーカル担当。90年に「さよなら人類」でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞などを受賞。2003年に解散後はソロで「出前ライブ」などの弾き語りおよびバンド「ホルモン鉄道」「パスカルズ」などで活動中。旅行記やエッセイなどの著作も多数ある。また今年4月には、10代女子2人とのユニット「えんがわ」としてアイドルデビューも飾った。

◆蟹江 杏◆東京都生まれ。ロンドンにて版画を学ぶ。NPO法人3.11こども文庫理事長。全国の百貨店や画廊で展覧会を行うかたわら、新宿区クリエーターズフェスタなどの都市型アートイベントにおいて子どもアートプログラムのプロデュースなどを手がける。東日本大震災の被災地の子どもたちに絵本や画材を届ける活動や、文部科学省復興教育支援事業としての講師やコーディネーターも務めている。
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