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食べるしあわせ
フランスの小さな村の小さなワイン moulla ソムリエ
堀澤和弘
第1回 珠玉の味をストーリーとともに届けたい
 フランスの小さな村でつくられたワインだけを取り扱っている、というちょっと気になるオンラインサイトの情報を入手した「かもめの本棚」編集部。『フランスの美しい村を歩く』(寺田直子著)や『フランスの花の村を訪ねる』(写真と文・木蓮)で、フランスの小さな村々の魅力にすっかりはまってしまった身としては、ぜひ話を聞きに行かなくちゃ! ということで、「moulla(ムーラ)」ソムリエの堀澤和弘さんにお会いしてきました。

――古くからその土地に根づいた暮らしや文化を大切に守ってきたフランス。“フランスの最も美しい村”(注①)に代表されるように、フランス全土には小さいけれど個性豊かな村が数多く点在している。「moulla」で販売しているのは、そんな小さな村でつくられたワインだけ。日本ではなかなか目にする機会が少ない、とっておきのものばかりだ。

 ワインといえばボルドーやブルゴーニュを思い浮かべる人も多いと思いますが、フランス全土には地方色豊かなワインがたくさんあります。2017年4月にオンラインサイトを開設して以来、少しずつ増やしていき、現在取り扱っているのは16の村の26種類。北はドイツとの国境にあるアルザス&ロレーヌ地方から、南はイタリアの文化がミックスするコルス島(イタリア語でコルシカ島)まで、さまざまな地方の作り手から輸入しています。

――ボルドーやブルゴーニュのような大きな産地では年間10万本、多くなると50万本ぐらいを生産しているところもあるが、小さな村では家族経営が中心。年間2万本もないところがほとんどだという。

 本来、小さな村のワインはそこに住んでいる人が消費するためにつくり続けられてきたものです。ですから私たちが新規受注をお願いしたくても、「今年のワインは終了しています」と言われてしまうことも多い。そのため、平均して一つのワイナリーから年間300本ずつぐらいしか輸入していません。しかも、うちでしか取り扱っていない。お客さまからは、「これで商売になるんですか?」と驚かれることもありますよ(笑)。

――300本しかないからこそ、“限られた味を楽しめる”という満足感につながるのかもしれない。

西部ロワール川河畔の都市ナント近くのヴーヴァン村
 土地の地質や気候条件から、私たちが普段あまり出合わないようなブドウ品種をブレンドしたり、作り手のこだわりが色濃く反映されているのも、小さな村のワインの特徴の一つです。そのため、ワイン好きな方でも「世の中にはこんなワインがあるんだ」という新しい発見がある。そんな珠玉の味を村の風景や作り手の素顔とともに紹介する――「ワイン+ストーリー(物語)」をセットで発信することで、より多くの人にフランスの小さな村の魅力に気づいてもらいたいと願っています。

――村々の美しい景色や歴史に思いを馳せながらワインを味わう。そんなストーリー性のある時間の過ごし方が、小さな村のワインを飲む際の楽しみの一つになるのだろう。次回は“小さな村の小さなワイン”の作り手と、味へのこだわりを教えてもらいます。(つづく)

【注①】フランスの最も美しい村:1982年にコロンジュ=ラ=ルージュで設立された。人口が最大で2000人までであること、少なくとも2つの歴史的建造物や自然遺産を含む保護地区があるなどの条件をクリアした村のみが「フランスの最も美しい村」として認定される(2016年現在155村が認定)。


《ソムリエ・堀澤さんおすすめ! 新年を祝うワイン》


「オリジン・ブラン」

「グレン・ド・ルヴェル」
 おせち料理に代表されるように、お正月には和食を食べる機会が増えます。和食の場合は魚料理でも肉料理でも、ユズやスダチ、カボスといったかんきつ類を料理のアクセントとして添える場合が多いですよね。
 そこで、南仏トゥールーズに近いサンティアゴ・デ・コンポステーラ(巡礼街道)沿いにあるブリューニケル村でつくられた「グレン・ド・ルヴェル」(2463円)と、西部ロワール川河畔の都市ナント近くのヴーヴァン村でつくられた「オリジン・ブラン」(2509円)を選びました。いずれもかんきつ系の風味が含まれている白ワインですので、和食との相性も抜群です。

「キュヴェ・ルネ」
 親戚や友人宅に招かれた場合の手土産としておすすめしたいのが、南仏ミネルヴ村産の「キュヴェ・ルネ」(3861円※赤ワイン)のように、エチケット(ラベル)に花の絵が描いてあるワイン。特に男性の場合、花束を持っていくのはちょっと照れくさかったりしますよね。そんなとき代わりの品にするのもいいですし、花束と一緒に花の絵が描かれたワインボトルを持って行くのも印象的な贈り方だと思います。※価格はすべて税別


(構成:山下あつこ+編集部)

【moulla(ムーラ)のオンラインサイト】http://www.moulla.jp/
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【ほりさわ・かずひろ】
大学卒業後にフランスに渡り、ロワール地方のワイナリーでブドウの栽培から醸造までを住み込みで学ぶ。大手飲料メーカーを経て、2016年に株式会社グラムスリーに入社。現在は海外事業部・ワイン部門に所属し、2017年4月にオープンしたオンラインサイトの「moulla(ムーラ)」ブランドのソムリエとして、フランスの小さな村でつくられた小さなワインの輸入・販売・PRを手がけている。
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