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美しいくらし
ニースっ子の南仏だより12カ月 マイ コートダジュール ツアーズ社長
ルモアンヌ・ステファニー
最終回:3月 楽しいマルシェめぐり【アンティーブ】

 コート・ダジュールを訪れる観光客の楽しみの一つが、マルシェめぐり。観光時間が限られている場合は、ニースの旧市街にあるサレヤ広場に行くのがいいでしょう。野菜や果物などの日用品のほか、せっけんやラベンダーのサシェ(香り袋)、プロヴァンスの陶器など、観光客に人気のお土産品を売る店がたくさん並んでいるからです。

 とはいえ、私たち地元の人間からするとサレヤ広場はやっぱり観光客向け。売られている野菜の値段が少し高めだからです。それでも南フランスや北イタリアの花を扱っているすてきな花屋さんがいくつかあるので、私もときどきは花を買います。でも正直に言って、この広場で野菜を買うニースっ子はあまりいないでしょう。普段の買い物にはニース中心部から少し北にあるリベラシオン地区に行くことが多いですね。

 観光がてらにマルシェを楽しむのなら、ニースから南西に約23キロメートル、電車で20分の場所にあるアンティーブをおすすめします。地中海に面したこの町には、現在はピカソ美術館となっているグリマルディ城や、17世紀後半のルイ14世の時代に活躍した築城の名手・ヴォーバン侯爵が整備したヴォーバン要塞などが残っていて、歴史の面影を今に伝えています。
 生活感たっぷりの旧市街には、日本人にも人気の高い画家レイモン・ペイネの作品を集めたペイネ美術館のほか、レストランやブティック、おしゃれなギャラリーなども。この旧市街から海へと向かう途中にある籠屋さんを見つければ、マルシェはすぐです。


 マルシェが開かれるのは毎週火曜から日曜の朝7時から午後1時まで。出店者は周辺の小規模な生産者、それもおじいさんやおばあさんがほとんどです。そのため販売している品物の種類や量は限られていますが、黄色のズッキーニの花、小さくて甘そうなイチゴ、大きくて立派なユリの切り花など、どれも生き生きとして新鮮なものばかり。ハーブや塩、タプナード(黒オリーブやアンチョビなどのペースト)、チーズなど、お土産にも喜んでもらえそうな品々も並んでいます。


 たくさん買った人にはパセリのブーケをおまけでプレゼントしてくれたり、気軽に試食をさせてくれたり……。人情味があふれているアンティーブのマルシェで地元の人たちとふれあった経験は、旅の貴重な思い出になるはずです。(おわり)

WEB連載が本になりました

『ニースっ子の南仏だより12カ月』

2023年2月23日発売


定価2200円(税込)

地元っ子ならではの視点で案内する
南フランス12カ月の暮らしと街歩きの楽しみ方

生まれ育ったニースを拠点に、日本人向け貸し切りチャーターサービスの専門会社を営む著者が、流暢な日本語を生かして綴る南フランスの日々の暮らしと街歩きの楽しみ方。1年12カ月、合計60のエピソードを収録。興味のある月やテーマを選んで気軽に読めるので、日々のちょっとした空き時間を使って太陽の光あふれる南仏コート・ダジュールを旅した気持ちになれる一冊です。4世代に伝わる家庭料理の簡単レシピも収録。

新刊発売記念

お得な「春の南仏フェア」

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【マイ コートダジュール ツアーズ】http://www.mycotedazurtours.com/
【mycotedazurtours Instagram】https://www.instagram.com/mycotedazurtours

★ステファニーさんが、日本人にも人気のコート・ダ・ジュールやプロヴァンスの観光スポットや通好みの穴場を紹介してくれる連載「ニースっ子の南仏観光案内」も併せてお読みください。
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【Stephanie Lemoine】
1979年フランス・ニース生まれのニース育ち。高校で第3外国語として日本語を選択、大学はパリにある国立東洋言語文化学院(Institut national des langues et civilisations orientales)で日本語と日本文学を専攻。大学時代の1年半、東京学芸大学に留学。ニースを拠点にした日本語ツアーや通訳、各種コーディネートなどを提供する「マイ コートダジュール ツアーズ」に、日本語ドライバーとして2008年から勤務し、10年に社長に就任。フランス政府公認ガイド。日本でのお気に入りの場所は宮島(広島県)と湘南(神奈川県)。大好きな鎌倉で老後を過ごすのが夢で、2人の息子たちには毎日欠かさず日本の話をしている。
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