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美しいくらし
ニースっ子の南仏だより12カ月 マイ コートダジュール ツアーズ社長
ルモアンヌ・ステファニー
2月 春を祝うカーニバル【ニース】

 冬のオフシーズンの間、ニースが最もにぎわうのがカーニバルの時期です。毎年2月中旬から2週間、会場となるマセナ広場とプロムナード・デ・ザングレでは昼も夜も華やかなパレードを楽しめます。

 カーニバルの見どころは3つ。1つ目は、18台のカラフルで巨大なフロート(山車)による「仮装パレード」です。フロートのテーマは毎年変わり、約6カ月間かけて作られます。2022年のテーマは「動物の王様」だったので、面白くてカラフルな動物たちがにぎやかにパレードしました。でも実は、ニースのカーニバルはかなり皮肉屋さんの面もあります。2022年は大統領選挙が開催される前だったので、立候補者たちをモチーフにした奇抜なキャラクターも登場していました。

 2つ目の見どころは、「イルミネーションパレード」。ネオンに照らされたパレードはとても幻想的ですが、夜はさすがに足元が冷えるので、使い捨てカイロをお忘れなく。


 そして3つ目は「花合戦」です。花合戦はとても芸術的。1台あたり約3000本もの美しい花々で飾りつけられたフロートに乗った〝カーニバルの女王〞が、パレードの後に観客に向かってミモザやガーベラ、アイリスなどの花々を投げていくのです。
 カーニバルの縁起物をもらおうと、観客の間で取り合いの花合戦が行われるのがクライマックス。花合戦の後、観客たちは花を抱えてうれしそうに帰っていきます。

 地元の人にとっても、カーニバルは南フランスに春の訪れを告げる大事なイベント。とはいえ最近はセキュリティーが厳しくなり、カーニバルを見るにはチケットが必要です。そのチケット代もかなり高くなってしまい、みんな文句を言っています。
 指定席は25ユーロぐらいとちょっと値段が高めだし、ずっと座って見ていると退屈してしまう人も多いため、立ち見席がおすすめです。これなら10ユーロ以下で、場所を変えながら見られるので飽きることがありません。ちなみに、仮装をして行けば立見席にはなんと無料で入れてもらえます!

 フランスだけでなく世界各地から毎年100万人も観光客が訪れるカーニバルは、ニースならではの冬の楽しみ。ホテルや観光業界にとっても、オフシーズンを乗り越えるためのとても大切なイベントです。(つづく)

WEB連載が本になりました

『ニースっ子の南仏だより12カ月』

2023年2月23日発売


定価2200円(税込)

地元っ子ならではの視点で案内する
南フランス12カ月の暮らしと街歩きの楽しみ方

生まれ育ったニースを拠点に、日本人向け貸し切りチャーターサービスの専門会社を営む著者が、流暢な日本語を生かして綴る南フランスの日々の暮らしと街歩きの楽しみ方。1年12カ月、合計60のエピソードを収録。興味のある月やテーマを選んで気軽に読めるので、日々のちょっとした空き時間を使って太陽の光あふれる南仏コート・ダジュールを旅した気持ちになれる一冊です。4世代に伝わる家庭料理の簡単レシピも収録。

【マイ コートダジュール ツアーズ】http://www.mycotedazurtours.com/
【mycotedazurtours Instagram】https://www.instagram.com/mycotedazurtours

★ステファニーさんが、日本人にも人気のコート・ダ・ジュールやプロヴァンスの観光スポットや通好みの穴場を紹介してくれる連載「ニースっ子の南仏観光案内」も併せてお読みください。
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【Stephanie Lemoine】
1979年フランス・ニース生まれのニース育ち。高校で第3外国語として日本語を選択、大学はパリにある国立東洋言語文化学院(Institut national des langues et civilisations orientales)で日本語と日本文学を専攻。大学時代の1年半、東京学芸大学に留学。ニースを拠点にした日本語ツアーや通訳、各種コーディネートなどを提供する「マイ コートダジュール ツアーズ」に、日本語ドライバーとして2008年から勤務し、10年に社長に就任。フランス政府公認ガイド。日本でのお気に入りの場所は宮島(広島県)と湘南(神奈川県)。大好きな鎌倉で老後を過ごすのが夢で、2人の息子たちには毎日欠かさず日本の話をしている。
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