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美しいくらし
「仕上げ」のハワイ コラムニスト・旅行作家
山下マヌー
最終回 目標に向かう一歩一歩が人生を豊かにする
 日本人が何度もリピートする外国として、不動の人気を誇るハワイ。これで「仕上げ」となったら、どんな旅にしようか……をテーマに、ハワイ旅行の第一人者である山下マヌーさんにあれこれ教えてもらってきたインタビュー。最終回は、ハワイならではの“特別な体験”について教えていただきます。ビーチに観光、買い物に食事と何でもそろい、常夏の陽光から山頂の雪までどんな気候もあるという、何をするにも申し分のない舞台設定。「ただし、そこにはある覚悟が必要です」とマヌーさん。それは一体、どんな覚悟?


―― これまで何度か訪れたことのあるハワイでしたが、話を聞いてまだまだ知らないことばかりのような気がしてきました。オアフ島以外の島巡りが“見て感じる仕上げ”だとすると、自分の身体を使って“体感するハワイの仕上げ”のおすすめは何でしょう?

 たとえば前回お話ししたカウアイ島にあるのが、“世界でいちばん美しいキャンプ場”といわれるスポット。作られたハワイではなく、本来のハワイの自然の中でキャンプを楽しむのもいいですよね。また、アメリカ本土からエココンシャスな人たちが集まるマウイ島に長期滞在、ヨガスクールに通ったりして体と心をリトリートするのもあり。海洋生物が好きならオアフ島のワイキキビーチの沖合にいるウミガメの家族や、絶滅危惧種のハワイアンモンクシールに会いに行くのもいい。クルーズに出かけて、運がよければシュノーケルでカメと一緒に泳いだり、イルカに出会えたりすることもありますよ。

―― なるほど、お金では買えないプライスレスな価値がありそうですね。

 お金があれば、1泊数十万円するようなホテルのペントハウスや、ワイキキで“太平洋のピンク・パレス”と称される歴史ある「ロイヤル・ハワイアン・ホテル」のスイートに泊まって、日本ではできない贅沢をするのも楽しいでしょう。
 でも、お金をかけなくても十分楽しめるのがハワイのいいところ。日本にはない自然環境が目の前にドーンと用意されているわけだから、どちらを選ぶかはあなた次第ということです。ただし、“仕上げのハワイ”直前までのあなたの人生によっては、あきらめなくてはならないこともあるんです。

冬期はホエールウォッチングも楽しめる

手つかずの自然も多く残る


―― エッ!? それは、どういうことですか?

 だって、世界一美しいキャンプ場に行っても、一度もキャンプをやったことがなければ、自分で何もできないから楽しめないでしょう。ビーチや公園でバーベキューができるエリアもあるけれど、アウトドアに慣れていないと肉も焼けない。「あぁ、俺、バーベキューもできないんだ……」ということになる。オプショナルツアーで海に潜っても、スキューバダイビングのライセンスがなければ、やっぱり物足りない。
 こんなふうに、ハワイではやろうと思えばアクティブなことは何でもできるからこそ、存分に堪能するためには、「今」をどうやって過ごしているか、その積み重ねがものを言うんですよ。

―― なるほど! だんだん“仕上げ”っぽくなってきました!

 逆に考えれば、自分が何を選びたいかで、これからの生き方を考えればいい。走ることが好きな40代の人が「ホノルルマラソンで走ってみたい」と思っても、体力的に60代、70代では無理かもしれない。「じゃあ、50代で行くぞ!」と決めたら、それまでのプランが立つわけでしょう。すると、「今日から、もうエスカレーターは使わずに階段を使おう」というのが第一歩になるかもしれない。
 そういうふうに、ハワイで「何をするか」。ハワイでなくても「人生の最後にどこでなにをしたいのか」が明確になると、自分の今やるべきことが見えてきて、毎日がちょっと楽しくなってきませんか?

オアフ島の中心街ワイキキごしにダイヤモンドヘッドを望む


―― いろいろなことに対応してくれる引き出しがあるからこそ、人生最後の旅をハワイにしようと考えたとき、目標に向かって自分の生き方すら変えられるということですね。

 そうそう! ワイキキに5回行ってわかったつもりになっている人でも、楽しむ方法や興味深いことはまだまだたくさんあります。恋愛と同じで、ハワイ(相手)をもっとよく知ることで、感動はさらに深まっていくと思います。
 特に、“地球で遊ぶ”というスケールまで旅を広げるなら、「あれをやりたい」「これをやりたい」という前に、たとえば星座に詳しくなるとか、花や魚に詳しくなるとか、調べることが準備として必要不可欠になるでしょう。そうしたこと一つ一つの積み重ねで自分が磨かれ、“仕上げのハワイ”に向けて人生が豊かになるんです!

―― すばらしいですね! マヌーさんなら、どんな仕上げ方をしますか?

 うーん、初海外旅行で登ったダイヤモンドヘッドかハワイ島のマウナ・ケアに登るかな。そこで「俺の人生、仕上げするのにふさわしい人生だったのか?」と、自分の胸に聞いてみるんだろうね(笑)。(おわり)

(写真・編集部)

―― そのころの自分と今の自分を比べつつ、「仕上がり具合」を判断する……ちょっと素敵な旅になりそう。あの日の夕焼け、一緒に歩いたビーチ。心に残る場所や出会った人を思い浮かべながら、ハワイで過ごした足跡をたどり、“これまで”を見つめ直してみるのもいいかもしれないですね。
 そんな旅の途中で、もしかしたらマヌーさんに会えるかも!?

(写真提供・山下マヌー、構成・宮嶋尚美)

【山下マヌー公式ブログ】http://lineblog.me/yamashitamanoue

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【やました・まぬー】
編集者を経てコラムニスト、旅行作家に。海外渡航回数350回超。海外に関する著作は60冊をこえ、その多くがロングセラーに。最新刊『山下マヌーのハッピーハワイ(得)マニュアル』ほか、ハワイ関連本は累計100万部をこえる、快適ハワイ旅行の第一人者。ハワイのみならずアジア各地から欧米都市部まで幅広く“マヌーさんならでは”の視点で旅を提案し続けている。
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