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石川浩司の缶コレランニング
ミュージシャン
石川浩司
第7回 この人、知ってる?(下)

木曽水系の水使用、名古屋人がつくった「でらうま」
(麒麟麦酒株式会社)

 いきなり缶コレから話は飛ぶが、東京の西荻窪という町でうちの妻が「ニヒル牛」という変テコなアートギャラリーショップをやっている。
 狭い店内に200以上の小さな木箱を置き、その中で作家さんが自由に自分の作品を置き、自由に値段を付け、展示し販売するというもの。絵ハガキもあれば、アクセサリーもあれば、変なオブジェもあれば、CDも洋服もある。
 基準は「自分で作ったもの」や「大量生産されて商業ルートに乗ってないもの」。故に世界に一つしかない作品も多い。

ドクター中松の頭においしい茶
(株式会社チェリオジャパン)

銀河高原ビール「おやすみビール」
(銀河高原ビール株式会社)

 法律に触れるようなものはもちろん駄目だが、それ以外は無審査だし、なんでもOKだ。100人のうち99人には意味のないものでも、たったひとりにとって宝物になるものがあればいいと思っている。価値なんて人に押し付けられるものじゃないのだから。

 なので小学生が手描きで絵を描いたTシャツの横に、熟練の下駄職人が本物と同じ工程で作ったミニチュアの下駄があったり、綺麗なタツノオトシゴの指輪の横に、リアルな一本糞のオブジェがあったりと、まさにカオスの個人作品群。
 その中にはエスパー伊東さんなど有名人もチラホラ。さまざまな作家が自分で作ったキャラクターも目白押しで、実は僕の姿のキーホルダーやTシャツやシールなども他の作家さんたちによって作られ、ここだけで売られている(この店内の販売に限り、僕の肖像権はフリーなのだ)。
 いつかここでいろんな作家がパッケージデザインした缶ドリンクを売れたら面白いだろうなあ。

 閑話休題。
 前回に続いてキャラ缶の紹介をしよう。
 今回は実在の人物もの。

アミラーリ(提督)ビール
(フィンランド・ピューニッキ社)


 この連載第5回で紹介した、今は亡き星野仙一監督が「たのむぞ星野」と言われているとちょっと切なくなったり、なんだか怪しいドクター中松の「頭においしい茶」や、みのもんたに微笑まれて眠るのも微妙な「おやすみビール」、そして東郷平八郎の缶ビールは日本ではなくフィンランドの製品だったりする。
 アイドルや人気女優なんかの缶も、時が経てば「そういえばこんな人、活躍してたなー」になるのではないだろうか。

 だから、こんなものも「僕らの身近に存在していた」という時代を映す鏡になる資料として残しておいた方がいいと思う。そんなワケで、僕は今日もどこかで缶ドリンクを飲み、そっとコレクションに加えるのである……。(つづく)


2万本にもなる石川浩司さんの空き缶コレクションから選りすぐりの1本を、「かもめの本棚」公式インスタグラムで紹介中。インスタグラム【今日の空き缶】ぜひご覧下さい。

【石川浩司のひとりでアッハッハー】
http://ukyup.sr44.info/
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【いしかわ・こうじ】
1961年東京都にて逆子生まれ。神奈川県・群馬県育ち。現在は、2万缶におよぶ空き缶コレクション保管のために埼玉県在住。バンド「たま」にてランニング姿でパーカッション、ボーカル担当。90年に「さよなら人類」でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞などを受賞。2003年に解散後はソロで「出前ライブ」などの弾き語りおよびバンド「ホルモン鉄道」「パスカルズ」などで活動中。旅行記やエッセイなどの著作も多数ある。
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