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石川浩司の缶コレランニング
ミュージシャン
石川浩司
第4回 あなたの郷土の缶あるかな?(下)
 僕がコレクションを始めた30年くらい前には、その地方でしか販売してないローカルな中小企業の飲料メーカーがたくさんあった。しかしそういう企業はどんどん大手に駆逐されてしまい、今は地方に行っても壊滅的といっていいほど小さなメーカーはなくなってしまった。「なんじゃ、このメーカーは! 知らんど知らんど嬉しいど~!」のビックリに会う回数も激減してしまった。しょんぼり。
 しかしこれも時の流れ。飲料メーカーに限らず、飲食店にしても昔からあったような個人商店はあっという間に減り、全国のどこにでもあるファミリーレストランやファストフード店が地方の駅前を埋め尽くしているのは、ある程度以上の年齢の人なら気づいているだろう。画一的で没個性。でも、僕自身もついついそういうお店を利用してしまうのだから、文句の言える筋合いではない。
 ただ、やはり寂しいのは事実である。僕は、地方の個人商店に近い飲料メーカーのオッサンが、経費削減とばかり自分の娘にイラストを描かせたようなダサい缶ドリンクが欲しいんだよおお~。

表も裏もない!?「ひやしあめ・あめ湯」(正和物産株式会社SK)

 さて、関西には伝統的な飲み物「ひやしあめ」がある。生姜味の甘いジュースだ。これはしかし、とても画期的な一面がある。というのは自販機で「つめた~い」に入っているときは「ひやしあめ」だが、同じ商品が「あったか~い」に入った途端、「あめ湯」と名前を変えるのだ。温度で商品名が変わるというのは、世界中探してもそうそうないのではないだろうか? ちなみにデザインは、表裏で「ひやしあめ」「あめ湯」となっているリバーシブルドリンク。関西人ならではのアイデア商品ということか。

清涼飲料水「ミキ」(有限会社マルマサファミリー商事SBC)

ゴーヤーマンドリンク(沖縄ポッカコーポレーション)
 そして沖縄。ゴーヤーは最近は全国的にポピュラーになったが、僕らの子ども時代にはそんな野菜の存在も知らなかった。ちょい苦い大人の味だが、「ゴーヤーマンドリンク」は子ども向けなので「ゴーヤーからできたレモン味のドリンク」という説明が妙である。
 独特なのは、飲む極上ライスの「ミキ」。お正月に飲むお神酒からアルコールを除いたものと言えば分かりやすいだろうか。ドロドロの米粒が口中に流れ込んでくるのは、なかなか他では味わえない刺激的かつ僕的にはウゲゲものである。
 さらに、この二つのシークワーサージュースを見てほしい。ロゴ、キャラ、「味わいスッキリ、爽やか柑橘飲料」という文言もまったく同じなので、シリーズものかと思ったら全然別の会社が作ってる。

ハイサイ・シークワーサー(株式会社沖縄発酵化学)

シークワーサー(有限会社中山門商事)「ル・ブラン」
 とにかく、かなり減ったといっても、まだまだ地方に行くと僕のワクワクは止まらない。
 どうか独自のドリンク缶をこれからも作り続けて、僕をウヒョヒョヒョと喜ばせてくれいっ!(つづく)


2万本にもなる石川浩司さんの空き缶コレクションから選りすぐりの1本を、「かもめの本棚」公式インスタグラムで紹介中。インスタグラム【今日の空き缶】ぜひご覧下さい。

【石川浩司のひとりでアッハッハー】
http://ukyup.sr44.info/
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【いしかわ・こうじ】
1961年東京都にて逆子生まれ。神奈川県・群馬県育ち。現在は、2万缶におよぶ空き缶コレクション保管のために埼玉県在住。バンド「たま」にてランニング姿でパーカッション、ボーカル担当。90年に「さよなら人類」でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞などを受賞。2003年に解散後はソロで「出前ライブ」などの弾き語りおよびバンド「ホルモン鉄道」「パスカルズ」などで活動中。旅行記やエッセイなどの著作も多数ある。
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