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石川浩司の缶コレランニング
ミュージシャン
石川浩司
第2回 これは一体なんじゃろな!?(下)
 味よりとにかくデザイン。
 そこで「これは一体なんじゃろな!?」と一見では分からない、こんな缶たちは、僕のコレクション心をすごくコチョコチョとくすぐるのだ。

グレープ・ライム果汁入りのビアカクテル「バンブー」(サッポロビール株式会社)
 その代表格のひとつが、「バンブー」という缶。スーパーのお酒缶のコーナーを見ている時に突如目に飛び込んで来たのが、漫画の吹き出しのようなバンブーの文字。
「バンブー。た、竹!?」
 慌てて手に取ってみるが、バンブーという刺激的な文字の割にデザインは竹とは何の関係も無いような抽象画。そしてビアカクテルということは分かったが、別に竹の味ということでも竹の成分が入ってるわけでもない。
 これ、バンブーじゃなくても「アジャパー!」でも「シェーッ!」でもよかった気がする。まさに「これは一体なんじゃろな!?」缶だ。
 こういう意味がよくわからない、逆に言えば無限にイメージが広がるシュールなデザインが大好きなんだよね~。
 僕の歌でもこういう変な風景が見えるような歌詞が時々出てくるので親和性があるのかもしれないな。

 そして、実は今さっき、衝撃の事実を知った。それは「チェリオパワー宮」だ。
 これも自販機で見つけた当初全然意味がわからなかった。なんか神社の力でも入れてるイメージで、パワースポット的に「宮」とネーミングしたのかと思ってた。随分ダサいネーミングだけどそれも敢えて狙ったのかなと。
 ところが、このエッセイを書くにあたりインターネットでちょっと検索してみると、なんとこれは宮本武蔵のことで、この缶の他に「チェリオパワー本」「チェリオパワー武」「チェリオパワー蔵」で4本集めることで宮本武蔵になることが判明した! ドラゴンボールの世界だったのだ!

炭酸飲料「チェリオパワー宮」(株式会社チェリオ中部)
 グヌヌ……これはそこそこ昔の物だから、もう決して二度とは手に入らぬ……いや、空き缶ならどこかにあるかもしれないが、僕のルールにも書いた通り「自分で飲んだもののみコレクション」なのでそれは駄目だし、中身入りがあったとしても流石に飲めないくらい消費期限が切れているだろう。
 せめて2、3本持って入れば「あっ、これは4本で宮本武蔵になるんじゃないか? じゃあ足りないのは・・・」と推察し探すことが出来たかもしれないのだが。
 一生の不覚也!
 あぁ、ネットなんて見なければ幸せに生きていけたのに。世の中には知らない方が幸せなこともある。
 ちなみにチェリオは関西や中京地区がメインで販売展開しているのでたまたま東京には宮本武蔵のうち「宮」だけが流れ着いたのであろう。
 “コウジロウ破れたり!”
 でも、こういうこともあるから缶ドリンクの世界は面白いんだよね。
 最初からネットで調べてたらそれをコンプリートすることばかり考えて、「こんなのもあったのかぁぁぁ!」の町歩きの時の発見がなくなるからね。僕はこれでいいのだ! いいのだったらいいのだ!

 ハァ~ッ、それにしても宮本武蔵だったのかぁ~(そう言いながら引き摺ってる)。
(つづく)

2万本にもなる石川浩司さんの空き缶コレクションから選りすぐりの1本を、「かもめの本棚」公式インスタグラムで紹介中。インスタグラム【今日の空き缶】ぜひご覧下さい。

【石川浩司のひとりでアッハッハー】
http://ukyup.sr44.info/
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【いしかわ・こうじ】
1961年東京都にて逆子生まれ。神奈川県・群馬県育ち。現在は、2万缶におよぶ空き缶コレクション保管のために埼玉県在住。バンド「たま」にてランニング姿でパーカッション、ボーカル担当。90年に「さよなら人類」でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞などを受賞。2003年に解散後はソロで「出前ライブ」などの弾き語りおよびバンド「ホルモン鉄道」「パスカルズ」などで活動中。旅行記やエッセイなどの著作も多数ある。
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