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美しいくらし
フランスの花の村を訪ねる
木蓮
第2回 崖の上に咲く可憐な村 トゥレット・シュル・ルー(上)

まるで崖の上に乗っているかのように広がる村


 春の訪れを日に日に感じるようになると、甘い香りがフワッと鼻をくすぐります。
「あっ、咲いたな」
 野鳥たちによって運ばれた種から、いつの間にか私の庭に咲くようになったニオイスミレ。小さな花ですが、たった1輪飾るだけで部屋中に甘い香りが広がります。
 庭のスミレを摘み、ブーケにして部屋に飾ると……その優しい香りに誘われ、コート・ダジュールの小さな村を思いおこします。「スミレの村」として人々を魅了するトゥレット・シュル・ルーです。

ミモザと取り合わせたブーケ
 それは「スミレの村」の印象からほど遠く、とにかく険しい崖の上に立つ小さな村。コート・ダジュールというと真っ白な砂浜が広がっているイメージがありますが、実際にはニースの海岸のように石の浜であったり、背後には切り立った崖がそびえる山間部もあり、さまざまな顔を持つ地方です。
 その崖の上にあたかも鷲が巣をつくるように点在するのが、通称「「鷲の巣村」と呼ばれる小さな村々。トゥレット・シュル・ルーもその一つです。

 旧市街は15分もあれば1周できてしまうほど。ここで大人気なのは、スミレのアイスクリームです。アイスの上にちょこんと乗っているスミレの砂糖漬けがかわいらしくて、旅行者に大人気です。有機栽培のスミレから作られるボンボンや紅茶、ハンドクリームやポプリなど、この村のスミレグッズは大人気。スミレだけでこんなに楽しめるなんて! ちなみに、ヨーロッパのニオイスミレには主にヴィクトリア種とパルマ種の2種類があり、この村では現在、ヴィクトリア種のみが栽培されているのだそうです。

スミレ祭りのデコレーション
 フランス原産というヴィクトリア種は、スミレとは思えないほど茎が長いのが特徴です(なんと25センチメートル近くも!)。また、ヴィクトリア種は香りが強いためブーケにしても大人気。スミレ祭りに訪れると、村中で小さなスミレの花束がたくさん売られています。
 フランスの男性は、女性に花をプレゼントするのが大好き。村の中には幸せそうにブーケを持ったマダムたちの姿がたくさん見られます。(つづく)


【写真提供:木蓮】
★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/

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【もくれん】
フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュ地方の人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。いきなり2人のフランス人娘の母親になり悪戦苦闘だったが、生来の自由気ままな性格と、さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、「フランスの小さな村宣伝大使」を自負し、訪ねた村々をブログで紹介している。花にあふれる美しい村の魅力を伝えるブログは、日本でも多くのファンがいる。
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