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きれいをつくる
白熱! 個性論 石坂産業株式会社 代表取締役社長
石坂典子
第2回【組織編】石坂典子さん(石坂産業株式会社 代表取締役社長) ~第1話~入り口が肝心
 今、社会では一人ひとりの「個性」が重視され、学校や企業、家族、地域などで「個性」を伸ばす教育や「個性」を生かした組織づくりが強調されています。しかし、「個性」とはいったい何なのでしょうか? 連載「白熱! 個性論」では、毎回さまざまな分野で活躍する人に「個性」に関する考えをインタビューします。

 第2回は、風評被害による危機的状況から企業再生に挑み、社長就任後、約10年で国際認証規格ISOを7種取得する優良企業へ転じた石坂産業株式会社を率いる石坂典子さんです。同社は徹底した社員教育のもと、全天候型独立総合プラントの建設や、地元の自然を生かした里山再生事業を全国に先駆けて展開。将来の環境を見据えた新しい取り組みに、国内外から見学者が押し寄せています。そんな注目企業のトップリーダーに、人材育成の観点から3回にわたって語ってもらいます。


 おかげさまで年間2万人近くの方が会社見学に来てくださいます。皆さんは、何に興味があって弊社にわざわざ足を運んでいるのでしょうか。もちろん、会社の規模や新しい設備を学ぶ目的もありますが、それ以外にも、なぜ社員みんなが笑顔で働いているのか。その真相を知りたいからだと思います。
 弊社の事業内容は、建設系産業廃棄物のリサイクル事業と専門性が高く、どちらかというと職人的な仕事がメーン。常に笑顔が求められる職種ではありません。それなのに、なぜニコニコしていられるのか? それは、“やりがい”です。1日8時間も働くわけですから、自分の仕事に面白みを感じていなければいい表情でいられるはずがありません。


■やりがいを自分で見つける

学校・企業・団体ほか、海外からも会社見学に訪れる。産業廃棄物中間処理事業は減量化・再資源化率95%を達成しているという
(写真提供: 石坂典子さん)
 私は、仕事とやりがいをうまく結びつけられるかどうかは、自己責任だと思っています。全国にこれだけたくさんの企業がある中で、「たまたま求人広告を見た」「時給がよさそうだった」という程度の志望動機なら、入社しても環境に左右されてしまうだけ。働きがいを見いだせそうにはありません。
 仕事は、人の生き方やライフスタイルにつながる重要な要素です。だからこそ、「なぜこの仕事を選んだのか?」という最初の入り口部分が肝心。そもそも、自分の適正や性格を自分自身がわかっていなければ、ベストな選択は期待できません。仕事に臨む姿勢に、その人の「個性」が表れるのです。

【今日のまとめ】
生き方につながる仕事の選択に、その人の「個性」が表れる!


―仕事に臨む姿勢からその人の「個性」を探る石坂社長。やりがいの持てる仕事を選択するには、まず自分自身のことを理解できていることが前提にあると言います。次回は、「個性」を生かすための組織づくりについて教えてもらいます。

【石原産業株式会社ホームページ】http://ishizaka-group.co.jp/

(構成:狭間由恵)
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【いしざか・のりこ】
1972年東京都生まれ。高校卒業時にアメリカの大学に短期語学留学。渡米1年後に帰国し、父が創業した石坂産業株式会社(埼玉県入間郡三芳町)に20歳で入社。同社は1999年に埼玉県所沢市周辺で起った農産物のダイオキシン汚染報道を機に、地元住民の激しい批判にさらされることになる。2002年に父の後を継ぎ2代目社長に就任した後は、焼却事業から全天候型独立総合プラントの産業廃棄物中間処理事業に移行する大改革に奔走。地元の里山の保全・再生事業や、里山の自然で学ぶ環境学習支援講座の開講、工場見学、地域イベントと、地域交流や地域貢献を視野に入れた新事業も展開する。2013年に経済産業省の「おもてなし経営企業選」を、2014年には国際認証規格のISO 7種統合マネジメントシステム認証を受ける。著書は『絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!―2代目女性社長の号泣戦記』『五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る』など。講演活動、雑誌やテレビなどメディア出演も多数。
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