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きれいをつくる
先生たちのちょいカツ!
第7回 浜内千波 先生(料理研究家)
 「師」としてアクティブな日々を送る先生にも、自分に向き合い“カツ”をいれて乗り越えた場面がきっとあったはず。そこで「こうして切り抜けた」「あの言葉は忘れられない」など一歩踏み出すきっかけとなったエピソードを、幅広い分野で活躍する先生にインタビュー。仕事に対する情熱や知られざる一面をクローズアップします。第7回は料理研究家の浜内千波先生です。


言い訳をしません



 「まず自分が動くこと、とにかく動くこと」。これを私自身の“旨(むね)”としています。台所にゴミが一つ落ちていても気になるし、流しに水滴がついているのもイヤ。隅々までカラ拭きをします。出かけるときは気持ちよく、どんなに急いでいても夫婦二人分のスリッパをちゃんとそろえる。こうしておくと、帰宅したときの気持ちの切り替えにもなります。

 作ってはまた作り、食べてはまた食べ、片づけてもまた片づけて……。料理研究家というのは、消えてなくなるものを相手にしています。つまり、家庭人であることがベースになって成り立つ職業なのです。だからこそ、心を込めて丁寧に掃除をすることで細かいところにも目が届くようになり、料理の腕が上がると自負しています。

体験講習で指導する浜内先生 
写真提供:ファミリークッキングスクール
 「減塩レシピをお願いします」「惣菜5点を考えてください」と、料理研究家としての仕事の依頼はさまざま。「どうやって膨大な数のレシピを作るの?」とよく聞かれますが、その基本は、スーパーのお買い得品や冷蔵庫の残り物を前に「どれを組み合わせようか」と、家族のために毎日悩む皆さんと全く同じです。身近な食材で手軽に作れてこそ、日々の食卓に並べられる。そこにプロとしてのエッセンスをプラスして幅を広げていくだけなのです。いつもの食材でも、ちょっと工夫をすれば「こんなにおいしいものができるよ」と提案していきたいと常に思っていますね。

 メニューが浮かばず窮地に立たされたら、「えっ浜内さん、何で浮かばないの?」と自分に問いかけます。そして、「ここでやらなきゃ、あなたじゃないんじゃない」と“カツ”を入れる。「あなた、これでいいの?」と自問自答もします。そのときに言い訳をしません。あいまいにしたままで逃げても、何も解決はしない。それだけは自分に対して絶対に「NO」なのです。

 撮影で使った料理は持ち帰らず、毎晩夕食を作ります。忙しくなるとしんどいときもありますが、自分や主人に甘えることはありません。だらけ始めると、食べるし、寝るし、太る。私にだって弱いところがあるのです。そんな自分が嫌いなので、常に自分自身に“カツ”を入れていて戦っているような状態です。仕事と家庭は1対1。どちらか一方を手抜きするのではなく、「1+1=2」にする。とはいえ1日の時間は限られていますから、効率よく無駄のない動きをするよういつも心がけています。

カツナンバー
集中するとき、音はいりません
 「音が全くないほうが集中します」と浜内先生。ベートーベンが好きで、CDはほとんど全部持っていますが、それは掃除中や夫と二人で聴いたりするもの。「集中するときは本当に何もないほうがいいのです」

カツめし
レモン
 口の中をさっぱりさせるものが好き。スッキリ感があって気分もリフレッシュできるので、サラダなどにも酸味をよく使うそうです。

カツアイテム
愛犬「ミント」ちゃん 

 料理教室ができたと同時に飼い始めたメスのラブラドール・レトリーバー、12歳。毎日ストイックに生活している中で、この子がいるからほっとする時間が持てる。「私がうそ泣きすると顔をなめに来ますし、ちょっと怒ったりするとシュンとなる。24時間一緒、とても癒やされます」

カツ語
「正義は勝つ」
 物事をジャッジするときにいつも心がけているのが、「正義は勝つ」ということ。「勇造(ゆうぞう)くん、正義は勝つからね」と、ご主人にもときどきアドバイスとして贈る言葉。

【『浜内千波オフィシャルサイト』のホームページアドレス】
http://www.chinamisan.com

取材を終えて

 一つずつ言葉を選んで話す浜内先生。その穏やかな口調とは裏腹に、ストイックな“カツ”スイッチはいつも「ON」のまま。家事をキチンとこなし、家族を大切に思う。その充電の源はご主人と愛犬ミントちゃん。「家庭料理」にこだわる謎が解けました。暖かな日差しが柔らかく降り注ぐ、掃除の行き届いた教室。さわやかで潔い笑顔に、冬空の凛とした空気を感じました。私も、今日からは家族のスリッパそろえます!

(構成:菊池眞希子、撮影:川嶋しづ子、編集:安藤弘子、大木祐子)

*この記事は、株式会社リビングくらしHOW研究所が運営するライター・エディター養成講座「LETS」アドバンスコース16期生の修了制作として、受講生が企画立案から構成、取材、撮影、編集、校正までを実践で学びながら取り組んだものです。
【ライター・エディター養成講座「LETS」のホームページアドレス】
http://seminar.kurashihow.co.jp/lets
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【はまうち・ちなみ】
1955年徳島県生まれ。大阪成蹊女子短期大学栄養科卒業後、OLを経て岡松料理研究所へ入所。「家庭料理をちゃんと伝えたい」という思いから、80年よりファミリークッキングスクールを主宰。
キッチン用品“Chinami”ブランドや携帯サイト“ハマティのラクやせクラブ”を立ち上げる。テレビ番組や料理ビデオの出演、講演会、雑誌や書籍の執筆活動、各種料理講習会への参画など、多方面にわたって精力的に活動を展開している。
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